2026年8月5日に開幕した第108回全国高等学校野球選手権大会は、智弁和歌山の5年ぶり4度目の優勝で幕を閉じました。

AI予想パビリオンでは大会前の優勝予想から、1回戦、2回戦、3回戦、準々決勝、準決勝、決勝まで、対戦カードごとにAIによる勝敗予想を公開してきました。

しかし、予想は出して終わりでは意味がありません。当たった予想だけを紹介するのではなく、外れた予想も含めて結果と照合し、「どこまで予想できたのか」「何を読み違えたのか」を残しておくことが重要だと考えています。

そこでこの記事では、2026年夏の甲子園で行われた全48試合について、実際に試合前に公開したAI予想記事と最終結果を1試合ずつ対応させて振り返ります。

元の予想記事へのリンクもすべて掲載しています。大会終了後の結果だけではなく、その試合が始まる前にAI予想パビリオンがどのように分析していたのかもあわせて確認できます。

まず大会前の優勝予想を答え合わせ

大会開幕前、AI予想パビリオンでは出場49校の優勝確率を算出しました。

【AI予想】夏の甲子園2026 優勝予想完全版|全49校の優勝確率ランキング

上位7校は以下の通りでした。

順位高校優勝確率
1位横浜8.6%
2位仙台育英8.2%
3位履正社7.3%
4位沖縄尚学6.3%
5位天理6.2%
6位智弁和歌山6.2%
7位健大高崎5.4%

結果は、6位の智弁和歌山が優勝、7位の健大高崎が準優勝。1位の横浜と5位の天理がベスト4でした。

優勝校を1位で当てることはできませんでした。ただし、実際のベスト4となった智弁和歌山、健大高崎、横浜、天理はすべて大会前TOP7に入っていました。

大会前のベスト8予想では、天理、智弁和歌山、履正社、仙台育英、健大高崎、青森山田、関東第一、横浜の8校を選出していました。

【AI予想】夏の甲子園2026 ベスト8予想

実際のベスト8は天理、三重、智弁和歌山、仙台育英、健大高崎、有明、花巻東、横浜。**8校中5校を的中し、ベスト8予想の的中率は62.5%**でした。

ここではトップ層の戦力評価には一定の手応えがあった一方、有明や三重など、大会中に評価を大きく上げた学校を十分に捉え切れなかったことも分かります。

1回戦|17試合を答え合わせ

1回戦については、個別記事に加えて大会前に全17試合の勝率を一覧化しています。

【AI予想】2026夏の甲子園 1回戦全試合 勝敗シミュレーション

No.対戦カードAI勝利予想実際の結果判定当時の予想記事
1札幌日大 vs 仙台育英仙台育英 62%仙台育英 3-1 札幌日大予想を見る
2東筑 vs 神村学園神村学園 66%神村学園 5-1 東筑予想を見る
3聖隷クリストファー vs 佐野日大聖隷クリストファー 56%佐野日大 1-0 聖隷クリストファー×予想を見る
4東海大甲府 vs 鶴岡東東海大甲府 52%東海大甲府 5-2 鶴岡東予想を見る
5八幡商 vs 健大高崎健大高崎 72%健大高崎 7-1 八幡商予想を見る
6立命館宇治 vs 有明立命館宇治 61%有明 6-3 立命館宇治×予想を見る
7立正大淞南 vs 長崎日大長崎日大 58%長崎日大 15-1 立正大淞南予想を見る
8遊学館 vs 青森山田青森山田 57%青森山田 6-5 遊学館予想を見る
9白樺学園 vs 東日大昌平白樺学園 53%東日大昌平 2-1 白樺学園×予想を見る
10日本文理 vs 大分商日本文理 55%大分商 6-4 日本文理×予想を見る
11英明 vs 関東第一関東第一 57%英明 4-1 関東第一×予想を見る
12新田 vs 花巻東花巻東 62%花巻東 4-2 新田予想を見る
13岡山学芸館 vs 鳥取城北鳥取城北 54%岡山学芸館 7-3 鳥取城北×予想を見る
14鳴門渦潮 vs 八王子実践鳴門渦潮 52%鳴門渦潮 2-1 八王子実践予想を見る
15中京 vs 霞ケ浦中京 52%霞ケ浦 6-3 中京×予想を見る
16明徳義塾 vs 日南学園明徳義塾 56%日南学園 2-1 明徳義塾×予想を見る
17横浜 vs 沖縄尚学横浜 53%横浜 7-2 沖縄尚学予想を見る

1回戦の結果

17試合中9試合的中、的中率52.9%でした。

1回戦はかなり苦戦しました。特に52~57%程度の僅差で本命としたカードで反対側が勝つケースが多く、有明、東日大昌平、英明など、大会前評価以上の力を持っていた学校を十分に評価できませんでした。

ただし、52%対48%や54%対46%は本来ほぼ互角です。「本命を当てられなかった」という結果と同時に、確率差そのものが小さかったことも今後の検証では区別して考える必要があります。

2回戦|16試合を答え合わせ

2回戦についても全16試合の勝率を大会期間中にまとめています。

【AI予想】2026夏の甲子園 2回戦全試合 勝敗シミュレーション

No.対戦カードAI勝利予想実際の結果判定当時の予想記事
18高岡商 vs 高川学園高川学園 61%高川学園 7-1 高岡商予想を見る
19天理 vs 福山天理 68%天理 7-2 福山予想を見る
20横手 vs 敦賀気比敦賀気比 65%敦賀気比 10-0 横手予想を見る
21智弁和歌山 vs 社智弁和歌山 59%智弁和歌山 2-1 社予想を見る
22履正社 vs 享栄履正社 54%履正社 6-2 享栄予想を見る
23松商学園 vs 三重三重 53%三重 5-3 松商学園予想を見る
24拓大紅陵 vs 佐賀商拓大紅陵 54%拓大紅陵 1-0 佐賀商予想を見る
25花咲徳栄 vs 仙台育英仙台育英 52%仙台育英 1-0 花咲徳栄予想を見る
26神村学園 vs 佐野日大神村学園 67%佐野日大 3-1 神村学園×予想を見る
27東海大甲府 vs 健大高崎健大高崎 58%健大高崎 1-0 東海大甲府予想を見る
28有明 vs 長崎日大長崎日大 73%有明 3-2 長崎日大×予想を見る
29青森山田 vs 東日大昌平青森山田 56%東日大昌平 6-2 青森山田×予想を見る
30大分商 vs 英明英明 54%英明 6-1 大分商予想を見る
31花巻東 vs 岡山学芸館花巻東 59%花巻東 4-1 岡山学芸館予想を見る
32鳴門渦潮 vs 霞ケ浦霞ケ浦 53%霞ケ浦 5-1 鳴門渦潮予想を見る
33日南学園 vs 横浜横浜 72%横浜 10-1 日南学園予想を見る

2回戦の結果

16試合中13試合的中、的中率81.3%でした。

1回戦の52.9%から大きく上昇しました。

1、2回戦を合計すると、33試合中22試合的中、的中率66.7%です。

2回戦では各校について甲子園での実戦データが増えたこともあり、高川学園、天理、敦賀気比、智弁和歌山、履正社、三重、仙台育英、健大高崎、英明、花巻東、霞ケ浦、横浜などを捉えることができました。

一方で、有明vs長崎日大はAIが長崎日大73%とかなり強く予想したにもかかわらず、有明が3-2で勝利しました。この試合は2026年大会における最大級の反省材料です。

3回戦|ベスト8をかけた8試合

ここからは大会中の最新成績を反映した個別予想を公開しました。以下は、試合前に公開した予想記事と実際の結果の対応表です。

No.対戦カード実際の結果事前AI予想記事
34高川学園 vs 天理天理 6-3 高川学園高川学園vs天理
35敦賀気比 vs 智弁和歌山智弁和歌山 7-3 敦賀気比(延長11回)敦賀気比vs智弁和歌山
36履正社 vs 三重三重 5-2 履正社履正社vs三重
37拓大紅陵 vs 仙台育英仙台育英 6-3 拓大紅陵拓大紅陵vs仙台育英
38佐野日大 vs 健大高崎健大高崎 4-1 佐野日大佐野日大vs健大高崎
39有明 vs 東日大昌平有明 4-1 東日大昌平有明vs東日大昌平
40英明 vs 花巻東花巻東 4-0 英明英明vs花巻東
41霞ケ浦 vs 横浜横浜 5-2 霞ケ浦霞ケ浦vs横浜

3回戦では、大会前から上位評価していた天理、智弁和歌山、仙台育英、健大高崎、横浜がベスト8へ進出しました。その一方で、三重、有明、花巻東も勝ち上がっています。

特に有明は大会前優勝確率0.1%、49校中46位の評価からベスト8進出。大会前のデータだけでは捉え切れない「大会に入ってからの強さ」を象徴する存在になりました。

準々決勝|ベスト4をかけた4試合

8月18日に行われた準々決勝では、4試合すべてについて個別のAI予想記事を公開しました。

No.対戦カード実際の結果事前AI予想記事
42天理 vs 三重天理 7-0 三重天理vs三重
43仙台育英 vs 智弁和歌山智弁和歌山 11-3 仙台育英仙台育英vs智弁和歌山
44花巻東 vs 横浜横浜 6-0 花巻東花巻東vs横浜
45健大高崎 vs 有明健大高崎 1-0 有明(延長10回)健大高崎vs有明

ここでベスト4に進んだのは、天理、智弁和歌山、横浜、健大高崎でした。

この4校には一つ大きな共通点があります。

4校すべてが大会開幕前のAI優勝確率TOP7に入っていたことです。

横浜は1位・8.6%、天理は5位・6.2%、智弁和歌山は6位・6.2%、健大高崎は7位・5.4%でした。

優勝校そのものを1位で当てたわけではありませんが、最終的に残った4校を大会前から上位グループとして評価していたことは、2026年夏の予想を検証するうえで一つの成果だったと考えています。

準決勝|決勝進出をかけた2試合

準決勝は8月20日。第1試合で智弁和歌山と横浜、第2試合で天理と健大高崎が対戦しました。

No.対戦カード実際の結果事前AI予想記事
46智弁和歌山 vs 横浜智弁和歌山 7-1 横浜智弁和歌山vs横浜
47天理 vs 健大高崎健大高崎 1-0 天理天理vs健大高崎

第1試合では、大会前優勝確率1位だった横浜が智弁和歌山に1-7で敗れました。横浜はベスト4まで進んだため、大会前評価そのものが大きく外れていたわけではありません。しかし、一発勝負のトーナメントでは「大会全体で強いチーム」と「その日の1試合を勝つチーム」は必ずしも一致しません。

第2試合は対照的な1点勝負。健大高崎が天理を1-0で破り、決勝進出を決めました。

決勝|智弁和歌山 vs 健大高崎

2026年夏、最後の1試合は智弁和歌山と健大高崎。

大会前のAI優勝確率では智弁和歌山が6位・6.2%、健大高崎が7位・5.4%でした。

決勝前には、智弁和歌山の直近の強打と、失点をほとんど許してこなかった健大高崎の投手陣を比較してAI予想を公開しました。

【AI予想】夏の甲子園2026決勝 智弁和歌山vs健大高崎|直近32安打の強打か、46回2失点の投手力か?

No.対戦カード実際の結果事前AI予想記事
48智弁和歌山 vs 健大高崎智弁和歌山 4-3 健大高崎決勝AI予想

決勝は智弁和歌山が2回に2点を先制。健大高崎は5回に1点を返し、8回表には2ランで3-2と逆転しました。

しかし智弁和歌山はその裏、スクイズで同点に追いつき、さらに勝ち越し。4-3で健大高崎を破り、5年ぶり4度目の夏の甲子園優勝を果たしました。

2026年夏のAI予想で良かった点

大会全体を振り返ると、最も評価できるのは上位校の基礎戦力を比較的捉えられていたことです。

大会前の優勝確率TOP7から、横浜、天理、智弁和歌山、健大高崎の4校がそのままベスト4に進出しました。優勝した智弁和歌山は6位、準優勝の健大高崎は7位でした。

また、2回戦では16試合中13試合を的中。1回戦で実際の甲子園での戦いぶりが分かったあとに予想精度が大きく上がったことも、今後のモデルを考えるうえで重要な結果です。

「大会前の長期的な戦力」と「大会中の現在の状態」の両方を見る方向性には一定の手応えがありました。

最大の反省は有明の評価

一方、2026年夏で最も大きな反省材料となったのが有明です。

大会前の優勝確率は0.1%で46位。

1回戦の立命館宇治戦ではAI予想が立命館宇治61%、有明39%でしたが、有明が6-3で勝利しました。

それでも2回戦の長崎日大戦では長崎日大73%、有明27%と予想。ここでも有明が3-2で勝利しました。

その後も東日大昌平を破り、最終的にはベスト8まで進出しています。

これは単なる「予想を2試合外した」という問題ではありません。

全国大会での実績や事前データが少ない学校をモデルが過小評価し、その評価を大会開始後も十分な速度で修正できなかった可能性があります。

2026年夏のAI予想モデルを改善するなら、有明のケースは必ず残しておくべきデータです。

1回戦52.9%、2回戦81.3%から分かること

勝率一覧が一括で残っている1、2回戦を同じ基準で再集計すると、1回戦は17試合中9試合で52.9%、2回戦は16試合中13試合で81.3%。合計では33試合中22試合で66.7%でした。

もちろん、これだけでAIモデルの性能を断定することはできません。

しかし、1回戦より2回戦のほうが大幅に高かったという事実は興味深い結果です。

1回戦時点では主に地方大会、大会前戦力、過去実績などを使って評価します。一方、2回戦では「その学校が実際に2026年の甲子園でどう戦ったか」という最新データが加わります。

今後は大会前評価を固定するのではなく、1試合ごとにチーム評価を更新していく仕組みをさらに強くする必要があります。

「的中したか」だけでは予想の精度は分からない

もう一つ、今後変えていきたいのが評価方法です。

例えば、

「A高校51%-B高校49%」

と、

「A高校90%-B高校10%」

では、A高校が勝ればどちらも1試合的中です。

しかし予測としての意味は全く違います。

51%の側が負けても大きな予測ミスとは言えません。一方、90%とした側が頻繁に負けるなら、モデルの確率設定に問題があります。

今後のAI予想パビリオンでは単純な的中率だけでなく、60%と予想した学校が長期的に本当に約60%勝っているのか、70%なら約70%なのかという「確率の精度」も検証していきます。

Brier Scoreなど、確率予測そのものを評価できる指標も将来的に導入していく予定です。

当たった予想も外れた予想も残す

今回、この記事を作った最大の理由はここにあります。

AI予想は未来を保証するものではありません。

だからこそ、当たった記事だけを残しても予測の検証にはなりません。

当たった予想。

外れた予想。

大会前に高く評価した学校。

低く評価したのに勝ち上がった学校。

予想した勝率。

実際の結果。

これらをすべて残して初めて、次の予想を改善するためのデータになります。

2026年夏の甲子園で公開した48試合の予想記事も、試合が終わったから役目を終えたのではありません。

これからは、「予想→結果→検証→改善」までを一つのコンテンツとして蓄積していきます。

まとめ|2026年夏の48試合を次のAI予想へ

2026年夏の甲子園は智弁和歌山が優勝、健大高崎が準優勝しました。

大会前のAI優勝確率では智弁和歌山6位、健大高崎7位。さらに横浜1位、天理5位を含め、実際のベスト4すべてを大会前TOP7に評価していました。

一方、1回戦は17試合中9試合的中の52.9%と苦戦。有明をはじめ、大会前のデータでは十分に評価できなかった学校もありました。

2回戦は16試合中13試合、81.3%まで上昇しました。最新の実戦データをどのように予想へ反映するかが、今後さらに重要になります。

AI予想パビリオンでは、2026年夏の予想を「当たった・外れた」で終わらせません。

全48試合の予想と結果を記録として残し、次の大会で同じ方法を使ったとき、本当に予測精度が改善したのかまで検証していきます。

予想して、結果を確認して、間違いから学ぶ。

2026年夏の甲子園48試合は、そのための最初の大きな検証データとして残していきます。