2026年夏の高校野球福島大会で、優勝争いの構図を一変させる大波乱が起きました。

夏の福島大会5連覇を狙っていた聖光学院が、準決勝で敗退。

王者を止めたのは、

東日本国際大学附属昌平高校。

通称・東日大昌平です。

試合は東日大昌平が3-2で逆転勝ち。

春の東北王者でもあった聖光学院を破り、17年ぶりの福島大会決勝進出を決めました。

さらに東日大昌平は、この一勝だけで満足しませんでした。

決勝では学法石川を10-7で撃破。

春夏を通じて初めての甲子園出場を決めています。決勝では15安打10得点を記録し、大会6試合の合計得点は42点に達しました。

なぜ東日大昌平は絶対王者・聖光学院を倒せたのか。

そして、なぜ番狂わせを甲子園初出場へつなげられたのでしょうか。


東日大昌平vs聖光学院の試合結果

チーム1回2回3回4回5回6回7回8回9回安打
東日大昌平00003000036
聖光学院00110000022

聖光学院が2点を先行。

東日大昌平が5回に一挙3得点で逆転。

その1点を最後まで守り切った試合でした。


聖光学院はどれほどの優勝候補だった?

聖光学院は単なる大会前年王者ではありません。

2026年夏は、

福島大会5連覇

を狙う絶対的な優勝候補でした。

さらに春の東北大会も制しており、県内だけではなく、東北地区でもトップクラスの力を示していました。

福島の高校野球では長年、

「聖光学院を倒さなければ甲子園へ行けない」

という状況が続いてきました。

2026年も、組み合わせが決まった時点では聖光学院を中心に大会が進むと予想した人が多かったでしょう。

しかし、その王者を準決勝で止めたのが東日大昌平でした。


試合経過|聖光学院が2点を先行

先制したのは聖光学院です。

3回裏、一死三塁から相手の失策によって1点を先制。

4回裏には二死三塁から朝長啓一郎が中前適時打を放ち、2-0とリードを広げました。

東日大昌平にとっては苦しい展開です。

相手は春の東北王者。

2点のリード。

甲子園経験も豊富。

ここで気持ちが引いてしまえば、聖光学院の試合運びにのみ込まれていたでしょう。

しかし東日大昌平は、直後の5回表に一気に試合をひっくり返しました。


勝因① 5回の3連打で王者を攻めた

東日大昌平は5回表、3連打によって一死満塁の好機を作ります。

ここで打席に入ったのは9番・小内壱晟。

小内が左前適時打を放ち、まず1点。

続く1番・渡辺頼都は、フルカウントから押し出し四球を選んで2-2。

さらに暴投の間に三塁走者が生還し、3-2と逆転しました。

この攻撃で重要なのは、長打による一発逆転ではなかったことです。

単打。

単打。

単打。

下位打線の適時打。

1番打者の四球。

相手バッテリーへのプレッシャー。

一人一人が役割を果たし、王者の守りを崩しました。


勝因② 9番打者から上位へつないだ

逆転のきっかけを作ったのが9番・小内壱晟だったことも象徴的です。

高校野球の強いチームは、3番、4番だけで点を取るわけではありません。

下位打線が出塁する。

9番が走者を返す。

1番が四球を選ぶ。

上位へつながる。

東日大昌平は打線全体で聖光学院へ圧力をかけました。

一方、聖光学院は先制後に追加点を奪えず、試合全体では2安打に抑え込まれました。


勝因③ 照沼佑崇が王者打線を2安打に封じた

最大の勝因は、先発・照沼佑崇の投球でしょう。

照沼は9回を投げ切り、聖光学院打線を2安打2得点に抑えました。

2点のうち1点は守備の失策が絡んだ得点。

4回に適時打を許した後は、5回から9回まで無失点でした。

照沼は試合後、ストライクを先行させ、変化球でもカウントを取ることで、相手に球種を絞らせなかったことがよかったと振り返っています。

速球だけで押したのではありません。

直球。

変化球。

ストライク先行。

打者との駆け引き。

聖光学院の各打者に狙いを定めさせなかったことが、2安打という結果につながりました。


勝因④ 逆転した後も守りに入らなかった

東日大昌平・江井康胤監督は、選手が9回まで攻める気持ちを失わなかったことが、1点差を勝ち切れた要因だったと語っています。

3-2と逆転した後、

「あと5イニング守ればいい」

と考えれば、選手の動きは小さくなります。

四球を恐れる。

失策を恐れる。

長打を恐れる。

しかし東日大昌平は、守備に入っても受け身になりませんでした。

照沼がストライクゾーンで勝負し、野手も打球へ攻める。

王者を相手に1点を守ろうとしたのではなく、

最後のアウトまで勝ちに行った

ことが大きかったのでしょう。


勝因⑤ 9回裏の重圧に耐えた

1点差で迎えた9回裏。

聖光学院は走者を二塁まで進めました。

一打同点。

長打なら逆転サヨナラ。

聖光学院には、甲子園出場を何度も経験してきた勝負強さがあります。

東日大昌平にとっては、この試合で最も緊張する場面でした。

それでも照沼は最後の打者を二塁ゴロに打ち取り、3-2で試合終了。

東日大昌平が17年ぶりの決勝進出を決めました。


聖光学院の敗因① 2点先制後に追加点を奪えなかった

聖光学院は3回と4回に1点ずつを奪いました。

しかし、その後は無得点。

試合全体でも2安打でした。

2-0になった時点では、試合の主導権を握っていました。

そこで3点目、4点目を奪えていれば、東日大昌平の反撃意欲を抑えられた可能性があります。

しかし追加点を奪えないまま5回を迎え、逆に一挙3点を失いました。

高校野球では、

先制しただけでは勝てない。

優勢な時間帯に点差を広げられなかったことが響きました。


聖光学院の敗因② 5回に流れを止められなかった

5回表、東日大昌平が3連打。

一死満塁。

適時打。

押し出し四球。

暴投。

聖光学院は、一つのイニングで流れを完全に持っていかれました。

失点は3点だけです。

しかし2点リードから1点ビハインドへ変わりました。

それまで追いかけていた東日大昌平は、

「勝てる」

という空気になります。

一方、聖光学院は、

「取り返さなければいけない」

という展開へ変わりました。

わずか数分の攻防が、試合全体を反転させました。


聖光学院の敗因③ 照沼を最後まで崩せなかった

逆転されたのは5回。

その後も攻撃回は5度ありました。

それでも同点に追いつけませんでした。

照沼がストライクを先行させ、変化球を交えながら打者の狙いを外したことで、聖光学院打線は連打を作れませんでした。

最終回には二塁まで走者を進めたものの、最後は二塁ゴロ。

王者の反撃は、あと一本届きませんでした。


東日大昌平は「聖光学院に勝っただけ」で終わらなかった

番狂わせを起こしたチームが、次の試合で敗れることは珍しくありません。

強豪を倒したことで気持ちが緩む。

大きな試合で力を使い果たす。

周囲から急に注目される。

決勝という別のプレッシャーがかかる。

しかし東日大昌平は、聖光学院戦の勝利をゴールにしませんでした。

決勝では学法石川と対戦。

両校合わせて29安打17得点という打撃戦を、東日大昌平が10-7で制しました。東日大昌平は15安打を放ち、初回3点、2回2点と序盤から主導権を握っています。


決勝の勝因① 初回から強豪・学法石川を攻めた

決勝で東日大昌平は初回から3得点。

2回にも2点を追加しました。

準決勝では2点を追いかけて逆転。

決勝では自分たちが先行して逃げ切る。

まったく異なる試合展開で勝っています。

これはチームとして大きな強みです。

投手戦だけではない。

逆転勝ちだけではない。

打撃戦でも勝てる。

相手や展開に応じて勝ち方を変えられたから、初の甲子園出場まで到達できました。


決勝の勝因② 上位から下位まで15安打

決勝では2番・入ケ町隼仁が3安打。

3番・峯大珠が2安打。

4番・緑川楓麻が2安打3打点。

5番・入口侑大が3安打。

7番・馬場拓も2安打を記録しました。

特定の打者だけではありません。

上位打線。

中軸。

下位打線。

どこからでも得点できる打線でした。

大会6試合で合計42得点という数字も、攻撃力が一試合だけの爆発ではなかったことを示しています。


決勝の勝因③ 照沼から白田へつなぐ継投

準決勝で完投した照沼は、決勝でも先発。

5回途中からエース・白田夢真へつなぎました。

白田は学法石川の反撃を受けながらもリードを守り、9回裏の追い上げも振り切りました。

準決勝では照沼が一人で投げ切る。

決勝では照沼と白田がつなぐ。

連戦となる地方大会で、二人の投手を使い分けられたことも大きな勝因です。


東日大昌平はどんな高校?

正式名称は、

東日本国際大学附属昌平高等学校。

福島県いわき市にある私立高校です。

野球部は開校と同時期の2000年に創部。

2026年夏、春夏を通じて初めて甲子園へ出場します。

福島大会決勝進出は17年ぶり。

そして今回が初優勝です。

浜通りの高校が夏の甲子園へ出場するのも、1995年の磐城以来31年ぶりとなりました。

学校だけでなく、いわき市や浜通り地域にとっても歴史的な甲子園出場です。


「いわきの歴史を変える」を実現

主将の峯大珠は、監督を甲子園へ連れていき、学校といわきの歴史を塗り替えることを、1年生の頃から目標にしてきたと語っています。

それは単なる大会前のスローガンではありませんでした。

聖光学院を倒す。

学法石川を倒す。

初優勝。

初甲子園。

浜通りから31年ぶりの夏代表。

一つの大会で、いくつもの歴史を塗り替えました。


甲子園初戦は白樺学園

東日大昌平の甲子園初戦は、

白樺学園(北北海道)

です。

初出場校同士ではなく、白樺学園には過去の甲子園経験があります。

東日大昌平は全国大会初出場。

甲子園独特の雰囲気や緊張感に適応できるかがポイントです。

一方で福島大会では、

春の東北王者・聖光学院。

27年ぶりの優勝を狙った学法石川。

という強豪を連続で倒しました。

相手の名前にひるまず、最後まで攻める姿勢は甲子園でも大きな武器になるでしょう。


AIが見る甲子園初勝利のポイント

照沼が試合を作れるか

聖光学院を2安打に抑えた投球を再現できれば、ロースコアへ持ち込めます。

白田をどこで投入するか

地方大会決勝のように、照沼から白田へつなぐ継投も選択肢です。

序盤に先制できるか

決勝では初回3点、2回2点。

甲子園初出場の緊張を和らげるためにも、早い得点が重要です。

下位打線が機能するか

聖光学院戦では9番・小内の適時打が逆転のきっかけ。

上位だけでなく、打線全体で得点できるかが鍵になります。

失策を減らせるか

聖光学院戦では3失策を記録しています。

照沼が抑えて勝利しましたが、甲子園では守備のミスが大量失点へつながる可能性があります。


まとめ|王者を倒し、初甲子園まで勝ち切った

東日大昌平が聖光学院を破った主な要因は、

  1. 5回の3連打
  2. 9番・小内壱晟の適時打
  3. 渡辺頼都の押し出し四球
  4. 相手へプレッシャーをかけて暴投を誘った
  5. 照沼佑崇が2安打2失点に抑えた
  6. 逆転後も攻める姿勢を失わなかった
  7. 9回裏の危機を守り切った

ことでした。

一方、聖光学院は、

2点先制後に追加点を奪えず、

5回の3失点で流れを失い、

照沼を最後まで攻略できませんでした。

そして東日大昌平は、聖光学院を倒しただけで終わらず、決勝で学法石川に10-7で勝利。

春夏通じて初の甲子園出場を決めました。

これは単なる一試合の番狂わせではありません。

福島の絶対王者を倒し、その勢いを学校史上初の甲子園へつなげた大会。

2026年夏の福島大会で、最も大きく歴史を変えた学校は東日大昌平でした。