「この選手の持ちタイムは一番速い。だから勝つはずだ」
競輪を「自転車を使ったスピード競争」だと思っているAIは、平気でそんな予測を出してきます。

しかし、実際のレースを見ているファンは知っています。
どんなに脚があっても、前の選手に意地悪くブロックされたり、壁になられたりすれば、一度もペダルを全力で踏めずに終わることを。

当サイト「AI予想パビリオン」が、なぜ競輪AIは「展開(Tenkai)」という魔物を攻略できないのか?
ラスト半周、ジャン(打鐘)が鳴った後に訪れる「計算不能なカオス理論」について解説します。

【AI予想パビリオン:免責事項】

  • 記事の性質:本記事は、マルチエージェントシミュレーションの限界と、競輪特有の物理的干渉(ブロック、競り)の不確定性に基づいた分析記事です。
  • リスクについて:展開の紛れは競輪の醍醐味であり、最大のリスクです。車券の購入は自己責任において行ってください。

AIは「タイムトライアル」しか計算していない

現在の競輪AIの多くは、選手の「上がりタイム」や「競争得点」をベースに計算しています。
つまり、「誰も邪魔しなかったら、誰が一番速いか」を競わせているのです。

「横の動き」というバグ

陸上競技や水泳と違い、競輪には「横の動き(ヨコ)」があります。
体当たりをして相手のバランスを崩したり、わざと斜行して進路を塞いだりする行為です。

AIにとって、この「ヨコの動き」は予測不可能なノイズです。
「時速60kmで走る物体Aが、突然真横から物体Bに衝突され、速度が0になる」
こんな理不尽な事象が、1周400mの中で何度も起こるのが競輪。
AIのシミュレーターの中で走っている選手は、誰もがマナー良く一列に並んで走っていますが、現実は「格闘技」なのです。

ラスト半周の「バタフライ・エフェクト」

カオス理論に「バタフライ・エフェクト(蝶の羽ばたきが竜巻を起こす)」という言葉があります。
競輪のラスト半周は、まさにこれです。

現象AIの計算現実の結果(カオス)
先行争い「A選手が逃げて、B選手が捲る」という1つのシナリオ。スタートの出遅れ1秒で、9車全員の位置取りが変わり、全く違う展開になる。
ブロック(牽制)「減速係数」として処理。ブロックされた選手が転び、後続3車が巻き込まれ、人気薄が1着に来る。
中団のもつれ計算不能(無視する)。外と内で挟まれた選手が動けなくなり、脚を余して終了。

9人の意思が絡み合う「複雑系」

競馬なら「逃げ」「差し」とある程度自分のペースで走れます。
しかし競輪は、9人の選手がお互いに進路を塞ぎ合います。
たった一人が「ちょっと外に膨らんだ」だけで、後ろにいる8人の運命がドミノ倒しのように変わってしまう。
この「無限の分岐ルート」を全て計算し尽くすには、現状のAIのスペックでは100年かかっても足りません。

「展開」はAIではなく、あなたの脳内に描くもの

AIが提示できるのは、「展開がハマった時の最大出力」だけです。
「もし、この選手がすんなり中団を取れたら、捲れるスピードを持っていますよ」という提案に過ぎません。

妄想力(シミュレーション)でAIを超えろ

だからこそ、人間が勝てるチャンスがあります。

  • 「この9番車、性格が悪いから絶対にイン粘りしてかき乱すぞ」
  • 「前の2人がやり合って共倒れになれば、漁夫の利で3番手が突っ込んでくる」

こうした「汚い展開」「泥臭いドラマ」を妄想できるのは、人間の特権です。

まとめ:AIは「スペック表」、人間は「脚本家」

競輪予想において、AIと人間は役割が違います。

  • AI:マシンの性能(選手の脚力)を測るエンジニア。
  • 人間:レースという物語の結末を書く脚本家。

AIが出した「強い選手」をそのまま買うのではなく、
「その強い選手が、いかにして罠にハマり、負けるか」というバッドエンド(=高配当)のシナリオを描けた時。
あなたはAIの計算を超えた「展開予想の達人」になれるのです。

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